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人文・思想 その3「日本人は語学が苦手? 必要な機会が少ないだけ」


本 2013年7月28日の朝日新聞朝刊に、扱いは小さいですが、面白い記事を見つけました。タイトルは「転職 英語力より人間力 人材会社調査 (英語力を)求める企業減る」とあります。内容を簡単にご紹介すると、これまでの「転職するなら英語力」という流れが2011年をピークに一服したとか。以前は英語力を重視した企業も「英語力は入社後でも(要は、いつでも)身に付く」という考えから、仕事を進める力や人間力も重視している、とか…。「人間力」というのは「?」なのですが、私としては「やっと普通に考えられるようになったか」というのが正直な感想です。ちなみにこれは転職サービス「DODA(デューダ)」を運営する会社による調査結果だそうです。
  
実際、個人的な話で恐縮ですが、外資系の会社にいて外資系の会社と取引していても「英語が必要になる場面」は殆どありませんでした。どうしても必要なら通訳できる人間を伴いましたし、余程複雑なビジネスメールでない限り、どうしようもないと言う事はありませんでした。それよりも取引先の外資系から要求されたのは円滑なキャンペーンの運営管理という、自分たちの仕事としては当たり前の事です。いくつかの企業が社内の公用語として「英語」を採用するという流れも、私的には「????」というか、組織の中のコミュニケーション力を阻害しかねないと思いました。まあ、その会社の自由ですけど、日本語でも意思疎通というのは簡単な事ではないのに、それが「英語ならできる」と考える人はいないでしょう。グローバリズム(globalism)というのが何を意味しているのか、ご存知ないのでは? グローバリズムに英語が必要という考えは、一歩間違うと某国の「全体主義」か「帝国主義」という事になりますよ。
  
私が従事していた仕事で英語に堪能な人は何人もいましたが、その人たちが英語を駆使して仕事を進める姿というのはむしろ珍しいシーンでした。あまり見た事が無い。どうして「英語を話せる」と言う事がそこまで能力として「過大評価」されたのか、不思議でなりません。おかしなことに、TOEIC900点の人でも英語でビジネスできるかというと、できるどころか、肝心の英語が全然ダメ、という人も何人かいました。これが現実です。我々のビジネスでの活躍の場はその殆どが「日本」を拠点にしています。英語圏の国に住んで、そこでビジネスをするのなら英語が「必要条件」になるのは分かりますが、仕事にとっては必ずしも英語が「十分条件」とはなりません。私が一時期仕事で通っていた某大手企業はその「社内公用語(?)を英語に」という会社でしたが、その会社の中で英語で話し合っているのを聞いたことはありません。そこにいる外国人(フランス人)が社内の休憩スペースで話しているのを聞いていると、むしろ日本語について理解しようと頭を悩ませていました。

「日本人は言葉が特殊なので語学が苦手」というステレオタイプの評価にいつも苦笑していました。これはハッキリ言ってウソです。まあ、ドイツ人が英語を習うのよりは日本人の方が苦労するのは分かりますが、ドイツ人よりも日本人の方が中国語のマスターは早いと思います。あと、日本語の特性故、というのであれば「子音」を聞き取れないというのは仕方がないと思います。明治政府が、日本語の(主に方言として残っていた)「子音」発音を五十一音の「標準語(標準発音)」に矯正してしまいましたから。五十一音の恩恵はあるとしても、子音のみの発音を聞く機会が無くなってしまいましたから発音するのも難しい。「日本人が語学が苦手」というウソの根拠は、国内に限って言えば「使う必要のある機会が殆どない」から、苦手も得意も関係ないと言う事です。この「日本人が語学が苦手」というのは、むしろ海外からの評価ではなく、自らの自嘲的な評価でしょう。その原因は、実践で使う事が殆ど無いから、上手く覚えようと思えないだけです。日本人は「受験」的な評価でスピーチに弱い事を「語学が苦手」と自らと感じているのでしょう。その代り、リーディングは殆どの人が何とかこなせます。メールでのやり取りでそれほど困っている人を見た事はありません。
    
コミュニケーション力は母国語で鍛えられます。これはどこの国に行っても同じはずです。母国語で話せない事はどこの国の言葉でも話せません。それは語学の問題ではなく「理解力」「表現力」の問題ですから。先の新聞で「人間力」と言っているのはこのことなのでしょうか? とはいえ、英語力なり多国語を拙くとも覚えるというのは、面白い事であるとは思います。ある映画を見ていたら字幕に「俺の負けだよ」とありましたが、耳に入ってきたのは確か"I say your win."でした。ある中国語の映画を見ていたら、主題歌は字幕が出るものの、何となく発音を追っていたらまさに漢詩(ちなみに、歌にするとき中国独特の発音「四声」はどうなるんでしょう?)でした。それがどうしたと思われるかもしれませんが、同じことでもこんな表現をするのかと言う事に気付ければ「面白い」ですし、日本語には猛烈な数の「外来語」が存在します。ゴルフの時、横文字禁止一回罰金100円、というのをやったら全員無口になり、イライラし始めました。
    
このサイトで言う「雑学」とは「ジャンルを区切らない横断的な知識(学問?)」であり、何と何がつながり合うのか分からないのが面白いのです。その意味では実用である語学も対象であり、「言語学(言語そのものの構造等を解明する)」でさえも対象です。専門になるよりも「横断的」に楽しみましょう。日本人が「学問として特に語学が苦手」なんてことはあり得ません。国際テストなどで日本人の順位が低いのは当たり前で「使う必要(機会)があまり無いから」です。雑学的に言えば、この日本ほど、「単一言語で、ほぼ単一民族で、メンタリティの近いコミュニケーションを図れ、経済もあるレベル以上に進んでいる」国はあまり例がないのでは? 英語やドイツ語もいいですけど、まず日本語で読んで、話しましょうよ。楽しいじゃないですか。まあ、当たり前か…。

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