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科学・テクノロジー その17「電子書籍の可能性 生活に根付くのか?」


本 かつて4年くらいISP(Internet Service Provider)、インターネット接続会社で働いていた事があります。その時、インターネットの最終的なデバイス(端末:device)はどのような形態のものになるか、という事をよく酒の席で議論していました。当時としては「携帯電話でインターネット」という事が非常に新鮮に感じられた時代だったので、やはり携帯電話だろうという結論に大抵は落ち着いていました。まだ、スマートフォンやタブレットのようなものは無い時代です。当時はApple社のNewtonやシャープのザウルス、カシオのカシオペアなどのPDA( Personal Digital Assistants:小型の携帯用限定機能PC)がありました。私個人もヒューレット・パッカードのジョルナダ(懐かしい…)を社外でのメールチェックに使っていましたが、機能的にはPCの限定版で、今考えると先進的ではあっても中途半端な感が否めませんでした(ちなみにヒューレット・パッカードはいまだPDAというジャンルを残して、そこにタブレットを区分しているようです)。

まあ、主に酒の席の話ですから、現実を無視して、「将来は眼鏡型のものが出てくる」とか「腕時計型」とか、中には体に埋め込むタイプのものという、当時としては荒唐無稽なマンガ的なものまで話に出てきました(当時の私が言ったことですけど…)。しかし、今やスマートフォンがパソコンを押しのけて、インターネットの主役に躍り出そうな感があります。しかし、私の考えではスマートフォンは「通話」という本価値の中にあり、インターネットの基本的な端末は相変わらずパソコンで、その中間にあるタブレットが機動性を補完するのでは、と考えています。
   
で、電子書籍の話ですけど、そのISPにいた時から新聞社や出版社から色々な話はありました。しかし、今のように主要な通信回線が「光ファイバー」となり、圧倒的なデータ通信能力を持っている状況とは違い、その当時はデータ転送能力の問題が大きく、そう簡単に「新聞・書籍」のコンテンツをストレスなくサービスできるバックボーンを構築するにはまだ、時期尚早という事で、大概の話は実験レベルで終わり、企画倒れになりました。要因として、通信回線だけではなく、そうしたコンテンツの需要予測、インターネット端末の能力、一番決定的なのは「電子書籍(新聞)」なるものの課金に対して、ユーザーが抵抗なくその代価を支払ってくれるかどうかという問題です。その当時(今でもそうですけど)、インターネットのコンテンツは無料利用が当たり前という「気分」が強く、物販(通販)ならまだしも、電子データの利用というコンテンツレベルのものに「課金」という事が馴染むのか、という事です。今でこそ「課金システム」というのはシステムとして普通のレベルになっていますが、その当時は「課金」というシステム自体がまだ、インターネットに馴染みきっていませんでした。

しかし、それから10年くらい経って、今ではそれらの問題も殆どがクリアされています。電子書籍の一番のメリットは、「販売者」にとっては「大量の在庫負担・物流負担」から解放される事、「ユーザー」にとっては、まさに通信販売の恩恵である「何時でも、どこでも、手軽に」です。これは一気に拡大するか、と思いましたが、やはり問題は残っていたようです。まあ、なんにせよ「初めて」の事ですから、そうそう簡単に、現実のシステムをインターネットの上に持ってくるというのは難しいのでしょう。
     
まだ残っている問題の中で最大のものは「著作権保護」です。電子データですから、そのデータがあれば複製は簡単です。紙の本でもコピーという手はありますが、デジタルの容易さはその比ではありません。著作権切れのものは良いとしても、売れるのはやはりコンテンポラリー(今日的、現代的)なものでしょう。著作権保護のシステムは「専用の閲覧用アプリケーション」「ストリーミング方式」「データベース認証方式」のように色々とあります。ファイルのフォーマットも端末によって様々となり(EPUB、XMDF、.book、AZW~)、これは「ユーザー」にとって、他の家電なども同じですが「規格が統一できていない」という事が大きな利用障壁(互換性の問題)となります。例えば「データベース認証方式」などは、ユーザーの端末ではなく、元のデータベースにある情報を読むこととなり、常にインターネットにつないでおく事が必要となります。ユーザーはアクセス権を購入しますが、そのデータベースを持っている業者がもしそれを閉鎖(倒産、事業撤退などで)すれば、読めなくなります。事実、そうした事が起きています。

ユーザーにとって一番楽なのはデータをダウンロードしてそれを端末のメディアに記録し、「何時でも、好きな時」に読めることでしょうが、これが前述の「不正コピー」を懸念させます。ソフト的な保護では「イタチごっこ」になるでしょう。著作権は多岐に渡るものでけっこう複雑です。例えば画像などの入った書籍の場合、文章はライターに、画像は撮影者に、レイアウトはその編集部に著作権があります。この調整はけっこうややこしい。「自炊」という、書籍をスキャンして電子データ化するという事も、著作権の侵害という問題を起こしかねません。難しい…。
    
とまあ、まだ問題は色々ですが、大きな流れとしては「ようやく、本格的な電子書籍流通の時代になったか」という感じで、これが後退する事はおそらく無いでしょう。で、実際の利用ですが、端末としては「スマートフォン」「専用端末」「タブレット」「パソコン」がありますが、おそらく「7インチのタブレット」に集約されていくのではないかと考えています。理由は、「紙の本に使い勝手が一番近い」と思うからです。スマートフォンは前述したように「通話」という本価値から外れる訳には行かないので、画面の大型化には限界があるでしょう。専用端末は「規格が次第に統一」されていけば、存在意義を失います。パソコンは「コンテンツを作る側」のものとなり、閲覧者はタブレット、というように役割分担をしていくのでは、と思います。

で、我が身の事ですが、やはり世代なのか「紙の本」に慣れていますね。まず、どこだったか探しやすいし、複数の本(資料)を同時に開いておけます。それに、「壊れる」ということがありません(破れる、濡れるはありますけど)。ですが、それはそれ、個人的な事です。電子書籍はますます普及し、情報通信スタイルは小型スマートフォンでの「通話」と中型タブレットでの「通信」がスタンダードなスタイルになるのではないでしょうか。で、私はタブレットの購入を検討中です。しかし、買ってもちゃんと活用できるでしょうか。やはり、紙の方が…。

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