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科学・テクノロジー その19「宇宙を覗き見る地球の目 何が見える?」


本 肉眼以外で宇宙を眺めたのは、1609年のガリレオ。その主な発見は「木星の衛星」ですが、あの「土星の輪」を最初に「見た」のも彼です。ただしその時ガリレオは「土星には耳」があると言い、また、一定の周期でその「耳」の姿がだんだんと見えなくなるので、これを「衛星」が土星の周りを回っている為だと考え、「土星の環」としては認識していなかったようです。ガリレオが自ら製作した望遠鏡の解像能力ではそれが限界だったのでしょう。その後、様々な学者が「土星の環」に接し、それを「環であると」初めてとらえたのは、オランダ人物理学者のホイヘンスであり、「土星の環」発見者はホイヘンスであるとされているようです。彼の手には、ガリレオよりも高性能な望遠鏡がありました。結局は「望遠鏡の能力の差」であり、私としてはやはりガリレオが「土星の環」発見者であると思います。

その後、望遠鏡は次第に高性能化し、その能力は望遠鏡の「口径」により決まります。ガリレオが自作した望遠鏡の口径は「5.6cm」。1789年にイギリスで製造された「ハーシェル」という望遠鏡の口径は「1.2m」です。しかし、口径で確実に「集光力」は上がりますが、「集光力=分解能(解像能力)」とは単純に行きません。解像能力を上げるための技術はその口径の大型化に伴い確実に進歩していきます。「ハーシェル」は「土星の衛星」を発見し、1971年にはアメリカの「ウイルソン山天文台(カリフォルニア州)」の口径「2.5m」の天体望遠鏡が「銀河系外の銀河の存在を確認」しています。そこにはあのハッブルの姿がありました。「より遠くの天体ほどその光が赤法偏移している」事を発見し、「膨張する宇宙」という、後に「ビッグバン」へと続く「宇宙論」の基礎を築いた人物です。この「銀河系外の銀河の存在を確認」という事は、それまで宇宙には「銀河系しかない」「銀河系が宇宙」と考えていた人々にとって「コロンブスの新大陸発見」並みの驚きがあったでしょう。自分たちの銀河系以外にも銀河系がある。それは、「一体、宇宙はどこまでの大きさを持っているのか」という永遠の好奇心を人類に植え付けたでしょう。
     
そして、1948年には同じくアメリカのカリフォルニア州に「パロマー天文台」が建設され、その望遠鏡の口径は「5m」に達しています。天体望遠鏡は、元は筒に凸凹レンズを組み合わせたもので、「鏡を使って光を集める望遠鏡」が発明されて、天体望遠鏡は大型化して行きます。しかし、20世紀後半には大きな問題が出てきます。重力によって大型化した鏡が歪んでしまうという事です。それを解決したのが「鏡の形(歪み)」を制御する「分割鏡方式」と呼ばれる技術で、六角形の鏡を数百枚集めて、その一枚一枚を後ろから支える棒で姿勢を制御し、分割した鏡の集合体を一枚の鏡のようにして光を反射させるのです。この技術により1996年、アメリカのハワイ州に、口径が「10m」の「ケックⅠ望遠鏡」「ケックⅡ望遠鏡」、1999年には口径「8.2m」の、日本の「すばる望遠鏡」が、同じくアメリカのハワイ州に建設されます。それ以外の技術として、人工衛星で観測する「ハッブル宇宙望遠鏡」や、光を使わない「電波望遠鏡」など、違う宇宙観測も行われるようになりましたが、ここに来て、再び天体望遠鏡の「大型化」への期待が高まっています。その口径はなんと「30m」…。その望遠鏡の名は「TMT(Thirty Meter Telescope)」。そのマンマの名前で「30m望遠鏡」。

それが可能になったのは、大気の影響で解像度が落ちる欠点を補う技術が開発された事によるそうで、大気通過中に酸素や有機物で吸収される光の成分を補正して分解能を上げるのであるとか。そして、それを支える鏡の精度は、直径1.5mの面で、凹凸の差が5ミクロン…。このTMTの完成予定は2021年。それ以外にも欧州南天天文台が口径「39m」の天体望遠鏡(E-ELT)、アメリカのカーネギー研究所などが口径「24.5m」の天体望遠鏡(GMT)を2020年ごろに完成させる予定。ちなみに、TMTの計画にはアメリカやカナダ、そして日本、その後に中国やインドも加わっています。単独でこれだけの天体望遠鏡を作るには相当なコストが必要となります。事実、日本は単独で口径「30m」クラスの天体望遠鏡を作る構想を持っていたそうですが、予算面で断念。TMT計画に参加する事を決めたそうです。
     
これで、地球に「大きな目玉」があちこちに出来て、宇宙を眺める事になる訳です。で、これほどの莫大なコストをかけた大きな目玉で、宇宙の何を眺めるのか…。大きな目的は二つ。その一つは「この宇宙誕生の姿」です。「すばる望遠鏡」は約128億光年離れた銀河を発見し、それは宇宙誕生から約8億年の宇宙を観測したという事になります。それより「昔の光」は微弱なため観測が難しいとか。しかし、TMTではさらに宇宙誕生から約3億年くらいの星の集団を直接見られるかもしれないと、期待されています。それは「宇宙で最初にできた星と、銀河を見つける」可能性があるという事です。

更に技術が進めば、宇宙創成の姿が…。それはイコール、我々の世界と、我々自身が支配されている「物質の世界=宇宙」を知る事です。人の好奇心は、ガリレオの手作り望遠鏡から、わずか500年にも満たない時間で、宇宙の果てまでを突きとめようとする天体望遠鏡を手にしています。その原動力は、まさに人の「好奇心」。そして、もう一つの目的は「太陽系外で生命が生存しそうな惑星を探す」事です。その中には地球に極めて近い環境を持つ星「スーパーアース」が存在するかも。1995年以降、太陽系外で発見された惑星の数は約1700個。これは、恒星の前を横切る時の光の変化で間接的に見つけるそうですが、直接観測できたのはそのうち30個程度。しかし、巨大なガス惑星で、生命の存在は期待できそうもありません。重さが地球程度かその10倍程度までの「スーパーアース」。

TMT計画は2025年くらいまでに「第二の地球」観測を考えているようです。TMT計画の腰を折るつもりはありませんが、そのような話を聞いていると、昔読んだ小松左京の小説で「結局、宇宙に生命の存在する星は地球だけという事が分かった。我々人類はこの広い宇宙の中で一人ぼっちという事」、を全人類が知らされた時、その全人類が重苦しい寂しさに苛まれた、という話を思い出します。「地球外生命の発見」、そして「地球外惑星への移住」が実現できる日が来るのでしょうか。想像しただけでもワクワクします。ですが、まあ、私自身はその頃には生きていないでしょうけど…。

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