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科学・テクノロジー その3「1.5インチの中に詰め込まれた人間の技術力」


本 テクノロジーといえばデジタルなものを思い浮かべる昨今ですが、アナログの世界にこそ、人間が持つ凄まじい技術力が存在すると考えます。例えばナノテクも驚愕のテクノロジーですが、巨大プラントもマシンからマシンが生まれてくる訳で、そのもとになるマシンは生身の人間が作り出したものです。そのもっとも象徴的なものが「腕時計」です。私はそれほどのマニアではありませんが、腕時計は十本余り持っています。壊れたものもありますけど。その中で決して外出時に腕に付ける事のないものがあります。「モバードのエルプリメロ」です。あるきっかけで、ダイヤルは退色し、べゼルの樹脂部分が割れていたものを見つけ、えらい迷いましたが(大修理が必要になると…)エイヤッで大枚をはたきました。

結果はグッド! 手に入れて5年以上になりますが、順調に動いています。動けば正義! 36,000振動の秒針は滑るように動いています。こんなとんでもない精密な機械を、人の手が作りあげた訳です。一般にエルプリメロ(自動巻きのクロノグラフ)といえば1969年にゼニスが開発したムーブという事になっているようですが、このエルプリメロの開発はモバードとの共同開発です。ただ、ゼニスの方が有名になり、確かモバードはゼニスに吸収されたように記憶しています。まあ、今は個性的な高級時計がある反面、巨大資本(Sグループ)がそのムーブを独占していますから、メーカー自体、どこがどこと一緒になろうが、訳分かりませんけど。
   
まあ、それは置いといて、他にもオリエントがキングセイコーやグランドセイコーに対抗して作ったグランプリ64や、名作ウォルサムのセンティニアル100、ラドーのゴールデンホース(復刻版ではなくオリジナル)、テクノスのザ・キング等々、引き出しの中で時を刻み続けています(時々止まっていますが)。昔は時計の性能は石の数で何石の時計というのがステイタスでした。センティニアル100は100石(1958年に作られた時計です)。グランプリ64は64石(100石もあります)。この64石というのは1964年東京オリンピックの開催を記念して作られたものです。コレクターではないのですが、多少はマニアックな時計に惹かれてしまい、いくつかは持っています(昔、家人から、古い腕時計を買うたびに、腕は一本でしょ、と皮肉られましたが…)。人(職人)たちが驚異的な技術を持つ「手」で作り上げた、直径1・5インチあまりの中に詰め込まれた完璧ともいう世界。特に男性に腕時計好きが多いと思いますが、やはり機械好きは男に多いのでしょう。理系女子も増えているようですが。
  
ちなみに、私の世代(オッサン)では「ラテウ」と言って「ラドー、テクノス、ウォルサム」が憧れの舶来(古う…)腕時計でした。その頃はロレックスなんて聞いても「ハァ…?」ってなもんで、ロレックスは意外と後発のメーカーです。ただ、宣伝手法に長けたメーカーです。いまではロレックスを筆頭に、パネライ、ランゲ・アンド・ゾーネ、ブレゲ、パテックフィリップ等々、キラ星の如き職人たちの傑作が高級時計店のウインドーに並んでいます。が少々、バブリーな感じも強いのですけど…。個人的にはIWCやジンのように洗練されたデザインが好みです。
   
腕時計の中で革新的な技術といえば、ロレックスの「真夜中の奇跡」と呼ばれたデイトジャスト、1927年にドーバー海峡を泳ぎ渡った女性の腕に付けられていたオイスターケース(オイスターケースの技術はロレックス社が他社から買い取ったもの)。特に「高価な時計」の複雑系機能御三家は「万年カレンダー」「ミニッツリピーター(音が鳴る)」「トゥールビヨン」でしょう。ミニッツリピーターは音が鳴るだけではなくて「澄んだ音が機械的に鳴る」機構です。特にトゥールビヨンは驚きの機構で、詳しく説明するとそれだけで数ページ必要になりますので簡単に言えば「時計の垂直方向の姿勢差を解消するための機構」で、回転する歯車自体がまた回転しているというややこしい機構です。
   
博物館についても何時か書こうと思っていますが、台湾の故宮博物館に行って、目もくらむような造形の加工品を数々見た時、ガイドが「これは人間ではなく、鬼が作った」と説明しました。まさに…。このページのタイトルである「1.5インチの中に詰め込まれた」技術力も、「鬼が作り上げた」ものと言っては過言でしょうか。パーツやその構成については一応、長い年月の中で練り上げられてきた基本形はありますが、オメガデビルのコアクシュアルのような技術も開発されているようで、まだまだ、機械式時計は進化を続けていくようです。ちなみ、私自身、一般にも手が届く価格で最も洗練された技術とデザインを持っているのは、我が国、日本のグランドセイコーであると思います(シチズンさん、ゴメン…)。
 
時計好きの三種の神器は「腕時計、カメラ、自動車」だと、ある時計屋さんが言っていました。私はカメラには興味が無いですけど…。とにかく、そのメカニズムに触れる時、クォーツの技術が凄いのは分かるのですが、「人間が作った最小で完璧なマシン」である機械式時計に比べると、ただの道具(メーカーさん、ゴメン)にしか感じられないのです。その世界にぜひ触れてみましょう。雑学としてでも尽きる事無く、楽しい世界です。余談ですが、今は機械式腕時計が復権してきたので、ある程度若い職人さんも育っているみたいですが、逆に、古い大きな機械式時計(ビッグベンみたいな)を修理できる職人さんが減ってきているようです。こちらは、このまま滅びて行くのでしょうかね…。

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