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科学・テクノロジー その8「世界に誇れる日本の大発明 即席ラーメン」


本 タイトルに「即席(そくせき)ラーメン」と書きましたが、今やこの呼称を使う人は殆どいないでしょう。「インスタントラーメン」です。しかし、私のようなオッサン世代にとって、この即席ラーメンという呼称は、別に懐かしいという訳でもなく、言葉として、文字して、とても「モダン」な感じがあるのです(私だけかな?)。即席ラーメンといえば、某日清食品の創業者、安藤百福の大発明、大ヒット商品、チキンラーメンです。私、このチキンラーメンとほぼ「同い歳」です。「インスタントラーメンが科学・テクノロジー?」と疑問をお持ちのそこの方(誰や?)、これはあの時代にあって画期的な大発明なのです。当時は「丼にいれてお湯を注ぐだけで食べられる、魔法のラーメン」と称されていたのです。その秘密は麺の「アルファ化」にあります。

つまり、簡単に言えば(専門家ではないので)デンプンを糊状にして、加水により復元させるという技術です。加水といっても、ラーメンはお湯を使いますけど。お米の「アルファ化米」という商品をご存知の方は、それと同じです。アルファ化自体は工業全般で使われている技術ですけど、安藤百福は、「油熱乾燥法」という、麺をアルファ化する手法を発明し、インスタントラーメンを開発します。有名な話ですけど(多分…)、奥さんが天ぷらを揚げているのを見て、そのヒントを得たという事です。要は過熱した油で、水分を一気に飛ばしてしまうという方法です。まさに、テクノロジー。
     
お店に行って、その売り場にどれだけの種類のインスタントラーメンが並んでいるか確かめてください。カップ系も含めて。その多さに改めて驚くと思います。それら商品のご先祖が「チキンラーメン」なのです(まだ生きていますけど)。それが、世界に名を轟かせている日本のインスタントラーメンの本家本元なのです。今や1000億食を超える需要を持つ、巨大な世界産業へと成長しています。海外では、このインスタントラーメンで「ラーメン屋」をやっているお店もあるようです。まあ、味に間違いはないでしょうけど…。個人的意見ですが、確かに日本でも評判倒れのラーメン屋さんが多く、私はインスタントラーメンの方が美味しいと思う場合がよくあります。とは言え、インスタントラーメンは「家で食べる」食事、もしくは小腹が減った時の軽い食事です。お店でこれを食べさせてもらいたくはありません。「お店のラーメン」と「インスタントラーメン」は別物であると思っています。
     
インスタントラーメンが飛躍的にそのマーケットを拡大した要因には、発明者である安藤百福自身の大英断があります。余談ながら、すぐに「規格独占」の競争に走って、結局は消費者に損をさせるメーカー(特に家電)は見習うべきでしょう。インスタントラーメンの黎明期には、どのマーケットでも同じなのですけど、ヒット商品の尻馬に乗ろうとする粗悪品や模造品が多く出回ります。これはマーケットが初期成長するときには避けようのない事なのですが、時にはそれがマーケットの成長を遅らせる事があります。安藤百福の大英断というのは、自らが持っている「味付け乾麺の製法」と「即席ラーメンの製造法」という特許を、一社独占ではなく、競合他社にも使用許諾を与えて、特許を公開した事です。これは普通ならば、先行メーカーとしての既得権を独占しようとするのが一般的なのですけど、氏は先見の明があったのか、その努力の産物である既得権を手放し、自ら「質の高い競合商品」を生み出したのです。

敵に「塩を送る」どころの話ではありません。その時の氏の言葉が有名です。「特許を独占して野中の一本杉として栄えるより、大きな森となって発展した方がいい」。これはまさにその通りで、マーケットを成長させるには「一強」ではなく、様々な競合メーカーのマーケット参加を促した方がその成長に加速がかかります。余談ですが、昔のアメリカは今と違って「特許」におおらかでした。その結果があの大発展であると考えます。今はダメ。独占志向の企業が多すぎる。お向かいの某国のように無節操なのも困りものですけど。
    
この安藤百福の大英断が無かったら、インスタントラーメンのマーケット拡大は遅れていたかもしれません。そして、あのカップヌードルが登場します。当時受験生だった私にとっても、このカップヌードルは夜食に最適でした。今やカップ麺の多様さはその商品開発サイクルも相まって、各商品を覚えきれるものではありません。もちろん、競合他メーカーの商品開発努力もありますが、その元型(製法)は未だにチキンラーメンにあり、半世紀余り、その「基本設計」が変わっていません。様々な商品が現れては消える中で、未だにインスタントラーメンの中心には昭和50年以前に開発された商品が力を持っています。チキンラーメン、カップヌードル、出前一丁、味噌ラーメン、塩ラーメン、チャルメラ等々。それは商品の出現時にそれだけ「完成度」が高かった証拠です。半世紀余りもその基本設計が変わらない商品は、(業種は違いますが)ホンダのスーパーカブくらいしか思いつきません。

ちなみに、インスタントラーメンに比べ、どこのメーカーが頑張ろうとマーケットに根付かない商品があります。それは「カップ・ライス」です。技術的にはカップラーメンと同じように作れるはずで、米もアルファ化できます。しかし、不思議な事にヒットしません。やはりこれはお家の「残りご飯」「猫マンマ」という大強敵がいるからでしょうか。ラーメンという、丼の中で同時に成立する、スープと炭水化物のコンビネーションに着目した安藤百福は、やはり慧眼であったというべきなのでしょう。

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