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歴史・地理 その28「日本・日本人の起源 列島に定住した太平洋国家の末裔」


本 これはン十年前に船釣りを始めたころから考え始めたことなのですが、「日本人の起源は、太平洋からやってきた人たちにあるんじゃないかな…」と。日本人起源論というのは永年の謎、というか、未だに学説としての定説がありません。ひとつの民族が、自分たちのルーツに興味を持ち続けるのは至極当然のことであり、邪馬台国論争がいつ果てるともなく人の関心を強く惹きつけ続けるのはその証でしょう。しかし、邪馬台国の論争に終止符が打たれたとしても、ではそれよりももっと以前の日本・日本人というのはそもそもどこから来て、この国を作ったのか? という疑問は解けません。誤解を恐れずに言うなら、邪馬台国は「日本列島のどこかにあったのでしょう」と顰蹙を買うようなことを思っており(個人的には畿内説支持なのですが)、それよりはるか以前の日本・日本人に思いが至るのです。そもそもが謎だらけですから、無責任に言えば、多少の雑学を元に想像の世界で自由に楽しめるテーマだと思います。そして、私の仮説は「日本は、太平洋国家の末裔」ではないか、ということです。一応のエクスキューズですが、他の仮説を否定するものでは全くありません。

私が大学の時にはまだ、「騎馬民族征服王朝説」という言葉が生き残っており、あの手塚治虫のライフワークともいえる作品「火の鳥」にもそれがモチーフとなっている場面が描かれています。が、今やもうこの言葉は死語でしょう。ザッと簡単に言えば、今の大和朝廷は4~5世紀ころに半島の征服勢力が朝鮮半島から対馬海峡を渡ってその軍事力を背景に日本の地で大和政権を樹立し、この国を征服したというものですが、今や矛盾だらけの説となっています。まず、王墓としての古墳などの形状が全く違っているし、この国に馬畜に関する文化が殆ど無い。大軍が海を渡って国を建てるような大事件があったとしたら、当時の中国の文献に残っている筈ですが、全くありません。中国は7世紀くらいまで紀元前から日本を「倭」としており、その意味では地域的な連続性があり、征服国家が成立したとは殆ど考えられません。決定打は「天皇」です。既に奈良時代、その権威は神格化されておりその文化的な在りよう(宮中行事等)には、微塵も騎馬民族的なものはありません。

ではではでは、一体、日本・日本人のルーツはどこにあるのでしょうか? 私が趣味の船釣りを通じて「その起源は太平洋にあるのでは…、北にではなく南にあるのかも…」と思ったのは、漁師や釣り人が釣り糸をつないだり、針を結んだり、船を係留したりする「ノット」、つまり結び方ですが、これが太平洋に散在する文化とそっくりなことです。「結び方」ですから口では説明が難しいのですが、例えば「南方延縄結び」や「漁師結び」「深海結び」「八の字結び」など、殆ど同じなのです。これだけ多様なノット文化は太平洋のものです。他の地域にも同じようなものが無いとは言えませんが、太平洋という広い地域の中で一つの文化が共有されている事実は、大昔に広範囲な交流があったと考えることにそれほどの無理はないと思います。しかも、太平洋には情報を共有・蓄積するための文字が無かったと云われますが、縄の結び目で「情報」を伝えていたという事実があり、それを文字とするのに吝かではないと考えます。

確かに日本は仏教や漢字、律令など、大陸からの文化、技術を相当に享受していますが、それはそれ。文化・技術の伝搬はどの地域でも起きています。それよりも興味深いのは、例の菅原道真による「遣唐使の廃止(894年:白紙に戻せ遣唐使、懐かしい…)」以後、特に文化的な衰退を見せるどころか、独自の「国風文化」を築き上げます。建築様式にしても、生活文化にしても殆どが大陸とは違う文化の進化を遂げています。これは、極めて珍しいことで、文化というものは「高度なものが他のものを吸収して収斂(束ねる)する」が一応の原則で、日本は大陸から「頂くものは頂きました」が、その中には全く取り込まれていません。江戸時代に至ってはいわゆるヨーロッパの中世なる時代とは全く異なる国家を作り上げています(日本の歴史にはいわゆる欧州的な中世なる区分がありません)。権威を京都に置き、実質的な権力は「盟主(公儀)」の形で支配はするものの、優れて多様な自治を実現させています。連邦国家と呼んでも差し支えないような…。

私の拙い「仮説」に多少なりとも「確信」を与えてくれたのは、サミュエル・P・ハンティントンが1996年に著した「文明の衝突」です。その文明分類は全世界的なものではないにしても、主要な文明、国はそれぞれに分類されています。その中で日本は全くどこにも属していない、ポツンとした文明圏になっています。ちなみに、朝鮮半島は中国とワンセットです。我々が子供の頃、日本語は「ウラル・アルタイ語族」として、モンゴル・朝鮮・日本と括られていましたが、これも今や死語でしょう。文法的な特徴である「膠着語」という言葉はまだ生きているようですが、少なくとも今や「同じ」という次元にはないと思います。それよりも、驚いたことに日本の伝統家屋は木造で茅葺屋根ですが、ハワイやメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアにも同様の構造を持つ家屋があります。ハワイの昔の集落の写真を見た時、私はてっきり日本の「里山」かと思いました。同じ、高温多湿の気候の中では、快適さを求める形が同じなのでしょう。「八百万」的な神話も似ています(まあ、古代的なアニミズム、多神教は少なからず似通っていますけど)。

妄想は広がります。かつて、島々を小舟で渡り、海流に乗って太平洋高気圧に覆われた穏やかな海を長距離移動し、同様の文化を持ち、同じような価値観を有していた「緩やかな地域」にあった人々の一部が、黒潮に乗って日本列島に辿り着き定住した。そして、その太平洋の文化をこの土地で穏やかに発展させてきた。それが今の日本であり、日本人…。故にその価値観は大陸と異なり、南を向いて国造りを行い、挙句の果てには(よろしくない事ですが)、海賊がはびこり、世界屈指の海軍国家にまでなってしまった、と。今の海上自衛隊の操船技術も相当に高いと思います。少々記憶が曖昧なのですが、その太平洋の「文化圏、文化的集合体」が「ムー大陸」と呼ばれたのではないかという説があったようですけど、私にとっては魅力的な考えでした。仮説ですし、妄想ですから責任の取りようはありませんけど、「日本は太平洋国家」である、という考え方、誤解されようとも私にとっては非常にロマンチックな景色を頭に描いてくれるのです。

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