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社会・政治 その12「海上自衛隊の”いずも” 間違いなく空母です」


本 昨年の夏に進水した海上自衛隊の「いずも」、あれは堂々たる「空母」です。防衛省は「護衛艦であり、大規模災害や国際緊急援助にも使える多目的艦」であると言い張っていますが、その理由は、艦種を定める防衛省の訓令で、「空母」というものが存在しないからだそうです…。背景に、1988年、「大陸間弾道ミサイル・戦略爆撃機・攻撃型空母」を自衛隊が保有する事は「許されない」との政府見解が出されたという事情があるのでしょうが、専守防衛が建前の日本としては、そりゃそうでしょう、と言いたい所ですけど、大陸間弾道ミサイル、持っているじゃないですか。H2Aロケット…。17回連続打ち上げ成功で、成功率は約96%でしょ。それだけの制御技術と能力を持っているのなら、その先っちょに載せる物を変えれば…。大気圏への弾頭部再突入能力も持っているし。戦略爆撃機なんて、ミサイルの時代にそれほど重要じゃないでしょ。それに、攻撃型空母って、防衛型空母ってのがあるのでしょうか(艦隊での護衛型はあります)?

何か、そこまで言い張るのを聞いていると、昔のCMで、浮気相手のネーチャンとキスしている現場を嫁さんに見つかって、「人工呼吸を…」とか言い張る亭主に、「ありがとうございました。おかげで助かりました」なんて言って、ネーチャンはそそくさとその場を離れ、後にはアタフタとする亭主と鬼のような顔の嫁さんが残される、って某メーカーがやっていたの、思い出します。三国志で有名な曹操は、息子である曹仁の弟殺しの疑惑を激しく詰問し、状況証拠は真っ黒なのに、最後まで無実を言い張って難を逃れた曹仁のその命がけの言い張りに、むしろ、感心したという話も思い出します。

これで海上自衛隊は「ひゅうが」「いせ」「いずも」の1万トン超の「護衛艦」、いえ、「空母」3隻を保有し、同型艦がもう1隻建造中とか。「ひゅうが」も「いせ」も全長が200m弱ですが、速度が30kt(ノット:1ノットは約1.8khで、約55kh強)で、ジェット戦闘機を十分、向かい風の風上に向けて射出する能力を持っています。甲板もおそらく、ヘリ搭載機とはいえ当然「耐熱処理」はしてあるようですし、ジェット機が「着艦」できる強度は持っているのでは…。「いずも」はその2隻より50m程度全長が長く、やはり30ktの速力を持っています。それでも「空母」ではないと言い張れるとすれば「カタパルト(戦闘機の射出機)」と「アングルドデッキ(斜めに配置された着艦用飛行甲板)」が無いという事くらいでしょうけど、そんなもの、どうにでもできるでしょう。アングルドデッキは着艦した戦闘機が待機中の戦闘機にぶつからないよう、射出用の飛行甲板に対して斜めの着艦専用飛行甲板を設置する事ですけど、そう難しくはない筈です。初期の空母にはほぼ直線の甲板を上手く仕切って、着艦用の甲板スペースを取っているものもあります。カタパルトを設置すれば、即、空母です。
   
あと、「おおすみ」の存在も忘れてはいけません。全長が「ひゅうが」に比べると20m位短かく、速度も22ktだそうですけど、これはディーゼルエンジンだからです。これを他の艦と同じく「ガスタービンエンジン」に代えれば、立派な軽空母です。私は船釣りが好きなので東京湾で昔、「おおすみ」の艦影を何度か見ましたが、そのシルエットは堂々たる空母です。「おおすみ」には2隻のエアクッション型揚陸艇(ホバークラフト)が載せられています。艦尾から発進するようですけど、これは通称「エルキャック(LCAC)」と呼ばれ、戦車を一台運べるほどの能力を持ち、通常の揚陸艇よりも遥かに厳しい条件で上陸できます。確かに、大規模災害時の対応に、と言われればそうなのでしょうが、他の国がそう見る筈はありません。素朴な疑問なのですけど、本当に大規模災害に、ということなら「いずも」のように、かつての帝国海軍に匹敵するような「護衛艦」を作るよりも、「おおすみ」程度を量産する方が安上がりだと思いますけど…。
  
確かにお向かいの国に300mを超えるドでかい空母が現れましたが、あの「スキージャンプ式甲板」は、開発予算が無くなった時のソビエトが途中で建造を中断し、起工(1985年)から30年近くも経っている「ヴァリャーグ(中国名、遼寧:りょうねい」です。多分、ウクライナに引き継がれて中国に売却された時、肝心の蒸気タービンエンジンが付いていなかったようで、今はディーセルエンジンで動かしているようです。という事は、最大速力も20kt程度も怪しく、確か、Jー15が「離着艦訓練」を行っている様子が公開されましたが、それよりも大型の戦闘機は飛ばせないでしょう。装備満載の重量級戦闘機を空母から射出するには、(スキージャンプ式甲板では)最低でも30ktの速度で向かい風を作り、十分な揚力が得られなければ、飛ぶたびにギャンブルとなりますから。

しかも、それを荒天の海で実施しようとしたら、相当な操艦能力と、船体安定能力が必要になります。昔、荒れる海で船体が安定せずに、空母の甲板から海へずりおちる戦闘機の記録フィルムを見た事があります。ここは、技術と練兵がものをいいます。特に姿勢制御の技術、ジャイロは日本の十八番。また、海上自衛隊の操艦能力は「海上給油」で証明済み。艦隊を、乱れる事無く波の高い洋上で操るのは自動車の運転のようには行きません。つまり、どう考えてもここで「空母」並みの護衛艦、特に「いずも」を持つのは、日本の戦闘(戦争…)能力向上である事は間違いないのです。潜水艦も増やしているし…。
    
で、問題は、それでどうしようとしているのか、この国は…。イージス艦6隻に「空母(らしき護衛艦)」4隻を持つという事は、もう立派な海洋軍事大国です。おそらく、中国が外洋で艦隊行動を取るためには、少なからずの「練兵(操艦訓練)」の時間がかかると思います。走るだけならできるでしょうが、作戦行動となると…。その意味で「いずも」は「かの国」への対抗策になりますが、当たってほしくない予感ですけど、もし仮に空母同士が向き合うような事になれば、局地戦なんて言葉ではもう取り繕えません。空母が単独で行動する訳はないので、有事の時にはもう抜き差しならぬ状況になってしまうのでは…。「かの国」にしても、かつては陸路からの輸送でも何とか間に合っていた物資が、国が急に肥大化してきたため、もう海路から物資を輸送するしかありません。で、そのためには空母がどうしても必要となります。なぜなら、これまた、もし仮にですけど、ベトナムとフィリピンが手を組んで「西の」シーレーンを封鎖なんて事が起きたら、「かの国」には空母が無ければどうしようもありません。ベトナムとフィリピンは自国から戦闘機を飛ばしても、封鎖海域での戦闘時間は十分に取れますが、「かの国」がその対抗として自国から戦闘機を飛ばしても、移動だけで燃料を使い果たし、十分な戦闘時間を確保できないでしょう。ですからどうしてもそこに「滑走路」が必要になる訳です(2014年、事実、中国は南沙諸島に滑走路を強引に作っていますね…)。

まあ、そんな事は軍事評論家の分析に任せるとして、日本には空母で「どこにいく必要があるの?」という疑問があるのです。少なくとも東アジアでなら、自国からの軍事対応で十分なはずなのに、なんで空母が…。まあ、防衛省は「だからぁ、あれは護衛艦で空母じゃないって!」とか言うのでしょうけど。あの「オスプレイ」に拘って(?)いるのも、4隻の「空母(なの!)」にエルキャックと一緒に搭載すれば、どれほどの物資を一気に輸送できるのか。東日本大震災の時に「トモダチ作戦」で活躍したアメリカの空母「ロナルド・レーガン」以上の力を発揮するのではないでしょうか。まあ、あっちは原子力空母ですけど。

歴史をみても、近代戦は後方の兵站業務で決まります。そこに集団的自衛権とやらの議論。なんか、渡邊白泉の「戦争が廊下の奥に立ってゐた」なんて詩を思い浮かべてしまいます。「空母」を持つという事は、それにドンドン近づいているという事。私が生きている間に、戦争など起こりませんように、という無責任発言で〆ます…。

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