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社会・政治 その18「パーキンソンの法則 組織は膨張しきって終わる」


本 「パーキンソンの法則(Parkinson's Law)」というものを比較的最近まで知りませんでした。しかし、この英国の歴史学者であり、政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンがそれを提唱したのは1958年、その著書「パーキンソンの法則:進歩の追及」の中で書かれた法則です。半世紀以上も前の事。知らなかった…。パーキンソンの法則とは次のようなものです。

【第1法則】:「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
【第2法則】:「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」

実に単純なものですが、これがドンピシャなのです。この法則は様々な場面を想定して当てはめることができます。「第1法則」は、例えば、夏休みの宿題ですが、早くやっておけばいいのに、と誰しもが思いながら、毎年夏休みが終わるギリギリのところで尻に火が点いてから片付け始める…。全ての人がそうではないでしょうが、そんな思い出をお持ちの方は多いのでは…。私もそうです。

この第1法則にある「仕事の量」というものは中身の濃さとか、効率とかは関係ありません。ですから、単純に「量が膨張」するというよりも、「内容が膨張したものとなる」と考えた方が分かりやすいと思います。そのママの言葉で理解したら、「与えられた時間まで目いっぱい仕事をする」という、「素晴らしい」意味にもなりかねませんから。夏休みの宿題は集中してやれば1週間もかからないで終えられるかもしれません。しかし、その程度のものが、終わらせるのに一ヶ月以上を要するものになってしまうのです。量は変わらないのに、与えられた時間いっぱいまで「完成」のために費やされてしまう、という事です。リミットの期限内に完遂できる仕事の「量」、「成果」自体が増えるのではなく、「膨張」するのです。
    
このパーキンソンの法則は、英国の官僚制を対象にして提唱されたもので、繁栄を誇ったイギリス帝国が凋落の時代を迎え、国が縮小傾向にあるにもかかわらず、国外で植民地を管轄していた「官僚」の数が増えていた事を指摘したそうです。それを、「官僚は部下が増えることを望む(ライバルの増加は望まない)」「官僚はお互いに仕事を作り出し合う」という2つの要因によるものであるとします。事実、仕事の量に関係なく毎年毎年、官僚は一定量増加し続けたようです。これは官僚たちに「リミット」を課すことなく放置したためで、国の事情がどうあろうと、一定の仕事量を持っていた官僚たちが「膨張」し続けたという事でしょう。「第2法則」は「第1法則」を補完するようなもので、日本を例にとっても、「春になると道路工事が増える」という事がそれではないでしょうか。官僚や自治体には「予算」なる収入があって(収入より予算とした方が分かりやすいでしょう)、それは「要・不要」に限らず、目いっぱい使われるという事です。「その成果は?」なんて関係ない訳で、「補修」「修理」とか言って、まだ使えるものまで壊しても、新しいものを作って「予算を消化」するのです。

私なりにこのパーキンソンの「第1法則」と「第2法則」をワンフレーズで表すと、「人は仕事の、あるべき本質に対して働くのではなく、仕事として認められる時間を消化する」。つまり、「組織」という具体的な事で言えば、「組織の構成員は、時間を消化するためにお互いに仕事を作り合う人間を大量に生み出し、組織は膨張していく」という事では。その「本質」から離れたところで「一生懸命に働いている」事を指摘したのが、もう一つの「パーキンソンの凡俗法則(Parkinson's Law of Triviality)」です。この "Triviality" は、あの「トリビアの泉」のトリビアで、「つまらない事、些細な事」という意味です。
     
この、パーキンソンの「第1法則」「第2法則」「凡俗法則」から、「組織は膨張し、本質から離れていく」ということが言えるのです。まあ、法則ありきではなく、身の回りを観ていてそう思うのですけど…。で、最後はどうなるのか。それは最後ですから「最期を迎える」のです。膨張して終わりなんて、まさに「バブル」ですね。もしかしたら「(金融)資本主義」そのものが「バブル」なのかもしれません。「パーキンソンの凡俗法則」を分かりやすく説明できるものに(有名な?)「自転車置き場(Bicycle Shed)」の例えがあります。自転車置き場を作ろうとする時、その屋根の素材はトタン製がいいか、アルミニウム製がいいか、駐輪方式はどうするか、などの議論が白熱します。「そもそも、自転車置き場が必要なのか?」という本質を見事に素っ飛ばして。議論の対象が些末になればなるほど、それは、やはり本質を素っ飛ばして白熱します。

「会社の備品」管理などがその典型であると思います。ボールペン、クリップ、消しゴム、ホッチキス、シャープペンの芯等々。何を用意して、どれくらい用意すればいいか、とか。赤ペンの支給は、使い切ったものとの交換を原則とする、とか。あの…、会社の備品なんて、社員の机の中で大量のゴミになっていますよ。そもそもが、そんなペンや消しゴムまで、会社が用意すべきものなのですか? 無くても仕事には何の支障も出ませんけど。個人個人が自分で買えば…。やはり、そこでは本質的な議論は素っ飛ばされます。笑える事はいくらでもありますよ。節電のためにエレベーターの利用は3階以上として、それが守られているかどうか、監視の人間を置く、とか。人件費の方が電気代より高くつくんじゃないですか? そして、「組織は膨張して、終わりとなる」。ちなみに、「成長」と「膨張」は違いますからね。

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