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社会・政治 その4「カレー大国日本 他国の文化を取り込む力」


本 カレーの事ですので食文化であり、このカテゴリーではないと思われるかもしれませんが、確かに食文化に関することではありますが、そこに見える景色はカレーにとどまらず、「他国の文化を見事に取り込んでしまう力」を日本の社会が持っている事に連なると考えます。ですからこのカテゴリーで書きたいと思います。机の上に雑誌「dancyu(ダンチュウ)2009年7月号があります。ダンチュウとは「男子、厨房に入るべし」という本来とは逆の言葉を略した雑誌名ですが、そのタイトル(特集名)は「そうだ!カレーをつくろう」です。表紙には、我々日本人にとって「これがカレーだよね」と言いたくなるような、ごくごく普通の「ジャガイモ・ニンジンがゴロゴロ、牛肉の薄切り(豚肉かも)、煮詰められてクタッとした玉ねぎ」カレーが、お鍋に入ってオタマで掬われようとしているシズル写真。もう、それを見て、大脳をスッ飛ばして「延髄反射」で速攻買いました。当然、その日の夜はカレー。我々日本人は刺身を食し、そばを食し、茶漬けを食し、梅干しや漬物などの素朴な味わいを愛する繊細な味覚の持ち主であるのに、その伝統的な食文化の中に、なぜ堂々と、全く趣の異なるカレーなるものが中心の座を占めているのでしょうか…?
  
カレー粉の消費世界一はインドですが、二位は日本のようです。統計データが手元にありませんけど、経験から考えて日本には「カレーライス」はもとより、「カレーうどん」「カレーパン」「カレーラーメン」「ドライカレー」「カレースープ」「カレー味のスナック類」等々、風味(フレーバー)のバリエーションには必ずといっていいほどカレーがある事を見れば、世界第二位であることに何の違和感もありません。ご存知の方も多いでしょうけど、カレーはイギリスが発祥の料理です。当時の植民地であったインドのスパイスを自国で商品化したものです。インドにはガラムマサラなど、各家庭にそれぞれのスパイス調合がありますが、それはカレーとは言い難い(インドではカレー粉をスパイスの一つとして利用しているようです)。

もともと、普段食べている肉や野菜を「カリ」と呼んでいたのが「カレー」の語源らしいですけど、要は「インドカレー」なるものは存在しません。「インドカレー」があるのは日本です。私の世代(オッサン)より上の方々は、白黒TV時代のCM、「インド人もビックリ」に懐かしさを覚えられる事でしょう。「インドカレー」は商標ですけど、この時代には食品メーカー各社から様々な「カレールー」が発売されました。カレー粉よりも手軽に利用できるカレールーの登場により、カレーライスが日本の代表的な家庭料理の座を占めた訳です。
   
日本人はよく諸外国から「物まね上手」と言われますが、その評価にはかなりネガティブな意が含まれています。つまりは「猿まね」であると。これはけっこうムッとする言われようです。「真似」自体が悪いというなら、人の文化はいつまでたっても原始時代のままです。真似て、それを取り込み、それを進化させるから文明がある訳で、その力が何故かこの国は高いというか、やる気満々! 食文化という相当に「コンサバティブ(保守的)」な領域でも、その力はいかんなく発揮されます。ケチャップからハヤシライス、オムレツからオムライス、カツレツからコロッケ、中国麺からラーメン等々、数限りなく貪欲とまで言えるほどに、外来の文化を身近なものに変換していきます。その中で、カレーはチャンピオン! ラーメン好きの方には異論があるかもしれませんが、家庭内食の比率(夕食での出現頻度)でいえば比べ物にならないでしょう。

私は勝手ながら、「高級カレー」というものを認めません。有名ホテルや有名百貨店、話題の店で、千円札が二枚以上必要なカレーがありますが、(奢ってもらわない限り)食べません。というより、やはりカレーは自分の家のカレーが一番美味い。そう思います。カレーは「家庭」のメニューです。
     
ファミリーレストランで人気のある「三種の神器」、ではなく「人気ベスト3」は、今でも変わらず、カレーライス、ハンバーグ、スパゲティだそうです。なぜ、これほどカレーは日本人に好まれるようになったのか。もちろん「美味しい」からでしょうが、やはり「ご飯」の存在が大きいのではないかと思います。これまた昔の話ですが、私が子供の頃は「ライスカレー」と「カレーライス」という二つのメニュー名がありました。どちらも同じものですが、今では「カレーライス」です。要するに「カレーご飯」。カレーの持つ「旨味」と、ご飯が持つ「副食の味を引き立てる主食」のマッチングが日本人に受け入れられたのでしょう。ハンバーグは「肉食の延長」、スパゲティは「麺」ということで日本の食生活に定着するのは不思議でもなんでもありません。で、カレーですが、カレー粉は戦前から味噌や醤油が不足している時の調味料として使われていたそうですから、やはり「旨味調味料」として、既に日本人には受け入れられていたようです。味の素の例を出すまでも無く、日本人の舌が「旨味」に敏感であることに異論はないでしょう。
    
それほど日本人に好まれているカレー味ですが、どうにも不思議な事があります。私、仕事柄、加工食品の商品開発などにも携わる事が結構ありましたが、カレー味はフレーバーの定番と書きましたけど、何故か「カレースパゲティ」というものだけは定着しないのです。もちろんマイナーレベルでは存在しますが、色々なメーカーがスパゲティのソースとしてカレー味を出そうと試みるのですが、ヒットしたどころか、売り場に定着した商品はありません。「うどん」にはカレーのレトルト商品があるのに、「スパゲティ」にはカレー味パスタソースなるものがありません。これはカレーの「スパイシー」な味がスパゲティレベルの麺に絡めると「キツク」なるからではないでしょうか。しかし、カレーラーメンはあるし…。これは未だに、カレーに関する不思議な事です。

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