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その他 その22「車なんてこんなもんじゃない?」


本 手元に一冊のムック本があります。タイトルは「GO OUT 特別編集 ゆるいクルマ STYLE BOOK:三栄書房」。1年ちょっと前のまだ寒い時期に書店でその表紙を見かけ、パラパラとめくって、即購入。車の本です。目に入った表紙にはタイトルと、「ボルボ240GL」。以下、個人的な趣味での事ですけど、240GLこそが私にとってのボルボです。あの真っ赤な、まさに「弁当箱」と言いたくなるような姿のワゴン。昔、始めて見た時はその「定規で引いたような」スクエアな姿が印象的で、何とも頑丈そうなボディで「ありゃ、少々ぶつけられても、中の人間は大丈夫だろうな」と思わせるほどの堅牢なフォルムでした。知人のオジサンが乗っているという事で間接的に話を聞くと、「ビジネスで忙しく移動しているから、体を守ってくれる車に乗っている」とか。まさに。一歩間違えると野暮ったいイメージも持っている車ですが、今でも1990年までのモデルに人気があるとか。私の知人が乗っているので、その感じを聞いてみると「運転してて面白いとかって車じゃないけど、乗ってて何か安心できる車」だとか。納得。

目次を開くと、そこには「フォルクスワーゲン カラベル」の姿が。「カラベル」はご存知の人もいらっしゃると思いますが、未だに根強い人気のある「T2バス(正面にデッカイVWマークの付いているワンボックス)」の後継で、1990年からは「ヴァナゴン」に改名されています。丸目ランプの「カラベル」の方が角目ランプの「ヴァナゴン」より、私的には好みです。これまた、乗っている人の言葉ですが「パワーは無いし、ドライブフィールがどうのという車じゃないけど、楽しいじゃない」。ごもっとも。そこにはこんなキャッチコピーが「ゆるいクルマでいこう!」。その下には「スペックとか、バリューとか、クラスとか、パワーとか…、クルマ中心の評価軸は関係なし。"自分とクルマとの心地よい関係” を築けるクルマと、ゆるーく繋がっていたいのです」というコピー。
    
取り上げられている車には、新しいものもありますが、その殆どがどれも古い年式の車ばかり。ボルボ、フォルクスワーゲン、ベンツにBMW、ローバー、シトロエン、ルノー、ロンドンタクシーもあります。もちろん国産車も。その中には、知る人ぞ知る「旧ソビエト連邦」の小型4WD「ラーダ・ニーバ」の姿も。そのデザインは1976年のデビューから40年近く全く変わっていないのです。で、なんと、今でも新車で買えるそうです。この「ラーダ・ニーバ」の名前を聞いて「ああ、あの車か…」と思える人はかなりの車好きであると思います。私もその独特なフォルムに、一時期真剣に購入を考えた事がありますが、失礼ながら当時のソ連製の車を買うのは「博打」で、個体差が大きく、工作精度が低いので「当たり外れ」が非常に大きいらしく、今でも(今はロシア製?)そうかもしれません。あのプーチン大統領も乗っているとか…。工作精度が低い割には、かなり早い段階から「センターデフ」の4WD機構(当時としては画期的)をもっていた半軍事、半民生の車でしょう。なんとも味のある車です。それから「古い縦目のベンツ」「縦長のキドニーグリルが凛々しいBMW」。「どんな人間が作ったんだ? と思えるエンジンルームの先代(元祖)ミニ」。

ちなみに、私は「ミニ」に憧れていた一人なのですが、「エンジンオイルとミッションオイルが共用」「サスペンションがゴム製」という2点の不安に負けて、購入には至りませんでした…。そして、ドイツの「アウトバーンが磨き上げたフォルクスワーゲン」。あの愛称ビートルはポルシェ博士の大傑作! ビートルをベースに作られた「カルマンギヤ」はその昔「ワーゲン・ポルシェ」と呼ばれていたとか。ビートルもカルマンギヤも空冷で、音はバタバタとウルサイ割には、遅い…。しかし、そのフォルムは芸術品です。どちらも、原型は半世紀以上も前に誕生していますが、今も同じ形で走っています。カルマンギヤを見かけると、何だか河原でカブトガニを見たような気が…(私の子供の頃には瀬戸内海沿岸の汽水域砂泥地にカブトガニがいました。原始時代じゃありませんよ)。
    
フォルクスワーゲンのゴルフ(Golf の名の由来はドイツ語で「Der Golfstrom」、英語の「The Gulf Stream」で「メキシコ湾流」、あの玉転がしではありません)は、私も乗っていましたが、4WD(ジムニーから、ジープ、ランクル40など、マッチョな「ほぼ合法改造4WD」)から諸事情によりこのゴルフに乗り換えた時、「まあ、乗用車だからなんでもいいや」と思っていたのですが、なんとなんと、運転していてムチャクチャ楽しい車なのです! 私が乗っていたのは俗にいう「A2」で、初代は「A1」ですが、これ、アウディとコードが被ってしまい、いまでは「A」のコードはアウディの方で使っています。で、その初代のゴルフには逸話があって、あのベストセラー「間違いだらけの車選び」を書いた、日本モータージャーナリズムの重鎮「徳大寺有恒」に強い影響を与えた車だそうです。氏のゴルフに対するこんな言葉を何か読んだ事があります。「車なんて、こんなもんじゃないの」とか。これは、褒め言葉だそうです。

確かに、基本的な所は真面目に作り上げられていて、見た目の派手さはないものの、コンパクトで極めて運動性能が高い車です。今でも車種は違いますが、私はフォルクスワーゲンに乗っています。ここまで長々と古い車の事を書きましたけど、何が言いたいのかというと、最近の車の「必死さ(特に自動停止装置。あれは追突促進装置です)」を笑いたいのです。確かに、コンピュータ制御もエアバッグも、各種センサーも不要にでかい車体も、車の「高性能・安全」という事では分かるのですけど、昔は車のシルエットを見ただけでその車種が分かったものです。それぞれに個性があった。確かに今の車は運転していて楽です。故障も少ないし、メンテナンスもディーラー任せでOK。車は完全に「道具」です。しかし、どれを見ても同じに見えます。つまり、どれでも一緒。
  
私が手にしている本に載っている車の中にはクーラーなど無い車がいくつかあります。当然、エアバッグもありません。エンストもします。私が乗っていたフォルクスワーゲン「A2」もメインな所は丈夫なのですが「くだらない箇所」でトラブルが起きます。ドアの窓がストンと落ちたり、天井に貼ってある布が剥げて落ちて来たり、ルームミラーを固定している箇所が壊れたり、夏になると「エアコン」が故障したりと…。しかし、「愛着」を持てるのです。運転時のビビリ音や、ウインカーの故障(危ないけど)、どうでもいいのです。味とは「見ているだけでも楽しい」という事です。「ゆるい関係」とは、「好きになれる」のが一番、という関係の事ではないでしょうか。

車は極言すれば、移動の道具にすぎませんが、上手くエイジング(古びさせた)Zippo やジーンズのように何という事は無いのですが、生活の中に溶け込んでくれる景色として、車という道具があってもいいのです。最新の自動車はどれも同じに見えますが、ここに書いた車たちが走っていると思わず目がいってしまいます。その車を運転している人に挨拶したくなります。「生活の味、楽しさ」は、そんな愛着の出るものと一緒に作るものだと思います。主役は「人」です。

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