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その他 その26「野球 変化球 大気の中を自在に泳ぐボール」


本 もうン十年来の野球ファンです。見るのもやるのも好きです。本格的にやった事は無いですけど、草野球で楽しんでいました。野球少年(今はオッサンですが)なら誰もが憧れるピッチャー。しかし、小学校の頃は「三角ベースに女投げ」で専ら遊んでいました。この言葉の意味が分かる人はご年配…? 「三角ベース」とはベースが三角なのではなくて、一塁と二塁とホームしかないという事です。これが「三塁省略」なのか、「二塁省略」なのかは置いといて、要は少ない人数でゲームを楽しむために塁を一つ省略している訳です。「女投げ」というのは昔の表現でしょうねえ。下から投げることを云っていました。ソフトボールの投げ方みたいなものですけど、あんなに早くは投げられません。それで、上から投げるのを「男投げ」と呼んでいましたが、地域によって違うかも、です。

小学校の頃は「男投げ」でストライクを取れる子供はいませんでしたし、そんなので投げられたら腰が引けて、ゲームになりません。楽しむのは打撃と守備。それが、年齢と共にユニフォームなんかを揃えてやる草野球(軟式)になると遊びも本格的になって真剣です。高校野球のピッチャー経験者が出てくると、テキトーな草野球チームのメンバーからは大ブーイング(これも、真剣であるが故です)。「試合にならねえだろ! そんな速い球、反則だぞ! ひっこめ!」。別に反則ではないですけど、こっちも必死です…。とはいえ、ただ速いだけなら何とか金属バットで打てます。マグレだろうが何だろうが、転がせば、草野球名物、見事なトンネルがあります。もちろん草野球でも、かなりレベルの高いチームはたくさんありますが、私がやっていたのは、外野にボールが飛ぶと、これまた草野球の名物、バンザイが当たり前の野球です。とまあ、そんな野球を楽しんでいました。
    
で、大学の時、ある地区大会でそれなりのレベルの草野球大会に出た時にぶつかった相手の投手は、高校で野球を経験したピッチャー。球はもちろん速いですけど、それ以上に参ったのが「カーブ」。高い所からドロンと曲がってきます。ハイ、手も足も出ず、負けました。私も打席に立ちましたが、当たれば飛ばす自信はあったのですが、カーブを投げられると、カスりもしなかった記憶があります。まったく、タイミングが取れない。シュートやスライダーはピッチャーの癖みたいなものですから、草野球程度なら大したことはありませんが、大きく縦に曲がるカーブなんて、その時始めて打席で見ました。ボールが生き物のように変化してきます。私がやっていたレベルの草野球でカーブを投げられたら、お手上げです。

ボールが曲がるのは「回転」によるものですが、打者に向かって回転している方向の側へ曲がって行きます。これを「マグヌス効果」と呼ぶそうですが、このカーブは野球の変化球の「ご先祖」様でしょう。考案者が誰かというのには様々な説があるようですが、公衆の面前でハッキリと曲がる球が投げられたのは1870年のニューヨークでの事です。その後、この変化球は1世紀半近くの内に、様々なバリエーションを生んでいきます。ちなみにフォークボールやナックルが落ちるのは「空気抵抗」によるもので、無回転で「マグヌス効果」が起きないからでしょう。これは、「バッテリー間の距離18.44m」という絶妙な距離が起こす、奇跡的な変化です。おそらく、短すぎれば変化も小さくなり、長すぎても同様でしょう。近代野球最高の魔球「スプリット」が生み出されるまでに、カーブから百数十年がかかった訳です。プロのピッチャーが操る「変化球」は、空気という粘性のある大気の中を自在に泳ぐ生き物のようです。五本の指をこれだけ器用に扱える人間の技。
   
今や変化球はもう区分が難しい位(解説者もハッキリとは分からない)多様となっていますが、大きく大別すると、ストレート系、フォーク系、カーブ系、スライダー系、ナックル系、シュート系、シンカー系、チェンジアップ系、となります。大きく分けてもこれだけあります。で、「系」となるのは、更にそのバリエーションがあるからです。ストレートでさえ、昔は「直球、真っ直ぐ」であったのが、今は「フォーシーム」「ジャイロ」「フォーシーム系ジャイロ」「ツーシーム型ジャイロ」などと、投げている本人に聞かないと分からない様々な球種となっています。ちなみに「チェンジアップ」は正確には独立した変化球ではなく「投げ方」です。フォーク系の挟むような握り方あり、サークルチェンジのようにシンカー系の握り方あり、スクリューボールのように見える回転の場合もあります。更に言えば、ジャイロというのは意図的に投げるボールというより、そのピッチャーの「指癖」のようなものだと思っています。要は「進行方向を回転軸とする」ボールです。このように投げるとボールの「初速(投げた時)」と「終速(ベースに到達した時)」が変わらず、「伸びてくる球」となるようです。これは縦に逆回転していても同じような効果は出るのでは?

基本的にどんな「ストレート」でも重力の影響は受ける訳で、完全な真っ直ぐというものは無いように思うのですけど、漫画のような「ライジング・ボール、ライザー」というのも現実に存在するようです。指先(爪?)でボールを引っ掻くように強く逆回転をかけると、重力に逆らって「浮き上がる」球になるとか。人間のピッチャーが投げる範囲内でその様な変化が起きるのかどうかは分かりませんが、200km近い球をピッチングマシンで打ち出した時、確かにボールがピンポン玉のように重力に反して「浮き上がった」のをTVで見た事はあります。
    
本編は「雑学」と云っても、変化球の「投げ方」教室ではありませんので、本気で挑戦される方は握りと投げ方でボールがどのように変化するのか、試行錯誤を楽しんでください。私は肩を壊して以来、ボールが投げられません。若い時はスライダーが得意だったのですが、たまにマグレで指が上手く引かかった時、今でいうカッターのような球を投げることができましたけど、体型(分かります?)で見られるのか、殆どキャッチャーでした。ピッチャーがやりたかったのに…。しかし、そのキャッチャーをやっていて、甲子園寸前(地方予選準優勝)の方のボールを受けた事がありますが、本気で投げられると怖かったですよ。その人の得意球は「落ちるスライダー」…。分かっていても完全には捕れませんでした。昔、東京ドームのバックネット裏の席に座る機会があって、その時、球界を代表するフォークピッチャーの投げ合いを目の当たりにしましたが、ボールが消えた…。漫画じゃなくて、「消える魔球(大リーグボール二号)」ってあるんだと思いました。あのプロ選手のフォークは、本当にバックネット裏にいる者の視界から消えました。

今度は本当に「バットを避ける魔球(大リーグボール三号)」が出たりして。なんて思ってたら、MLBの某ストッパーのカッターはバットを避けているように見えた事があります。人間の能力がどこまで進化するのかは、オリンピックで世界新記録が出る度に、驚愕します。今や幾通りの変化球が人の手から放たれて、18.44mの大気の中を泳いでいるのか…。今後、どのような変化球が生まれてくるのか…。それを打ち崩す打者は通常人の何倍の運動能力を持っているのか…。バッテリーが、様々な球種を組み立てる配球は、野球の醍醐味。球場で見るより、TVで見る方が分かりやすいという皮肉はありますが…。しかし、野球は面白い!

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