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その他 その5「企画書の書き方? 会議の資料? 説得の道具?」


本 不詳、私、この「企画書」なるものをン十年も書いて(作成して)ご飯にありついて来ました。何故、そのような仕事を(ほぼ)専門にやる事になったかといえば、単純な理由、最初の仕事場で誰も書く(書ける)人がいなかったからです。え…、それは変だって? そんなの「誰でも作れる」と言われる方も多いでしょう。しかし、パソコンなる便利な道具が無かったらどうですか? 難しいでしょう。手書きで作る事を考えてください。私が最初始めたころは、パソコンはおろか、ワープロさえありませんでした。コピー機位はありましたけど。試しに手書きで企画書をまとめてみてください。出来上がる頃には手が痛くなってますよ、多分。同じ「企画書書き屋」で腱鞘炎になる人もいました。「企画書書き屋って、何?」と言われそうですが要は昨今、あちこちで当たり前の呼称になっている「プランナー(Planner)」様の事です。しかし、当時はとにかく企画書なるものを「書く(作る)事」が大変な作業だった訳で、図や表などは「切り貼り」で作っていました。今ではパソコンの画面で「コピペ」すれば一発です。表もグラフもパソコンが作ってくれます。
  
ところで「企画書書き屋」といいましたが、この仕事、書いただけでは終わりません。お得意さん(クライアント)にそれを説明しなければなりません。2週間かけて作ったものが、1時間程度でお陀仏になることはしょっちゅうです。その説明が「プレゼンテーション」ですけど、競合する他社と争う場合が殆どです。と、オヤジの昔話はこの辺でやめにしますが、最後に一つ、昔は手作りですから非常に個性的な「企画書なるもの」がありました。私が一番面白いと記憶しているのは、模造紙(大判の紙)一枚にまとめられたものです。大抵、企画書はA4の紙に各項目をまとめ、冊子にして作成します(たまに紙の大きさを指定されることがあります。某大手企業ではB4でした)。その模造紙の企画書には一枚の紙に企画内容の全体像をまとめてありました。もうひとつ面白いと思ったのは「巻物」です。要は企画書を冊子にせずにズラッとつなげて、それを巻物にしたものです。これが良い所は面白さだけではなく、後ろから見られない事です(ご経験のある方はお分かりですよね。結論の方を先に見ようとする人が多い)。両者とも面白かったのですが、これを手作業で作るとなればなかなかに大変です。しかし、いかに相手の目を惹くかも「企画書」の勝負ですから、皆、労を惜しまずにあの手この手でした。
     
そして、パソコンの登場です。プランナーたちは積極的にこれを取り入れ、あれやこれやと知恵を絞って企画書を作り始めました。当初は「印刷」でもしたかのような企画書が大いに受けました。表やグラフや画像など、テンコ盛りで、説得力が格段に向上しました。ちなみに、個人的な話で恐縮ですが、私はこの時期にけっこうパソコンの恩恵を受けました。いち早く投資して(個人としては相当に高い買い物ばかり…)、その操作法を覚え、企画書作りに反映しました。少し後の事ですが、HTMLでローカルのサイトを作り、プロジェクターで企画提案した事もあります。これは、手前味噌ですが受けました。作るのにヒーヒー状態でしたけど…。しかし、です。企画提案に画期的な手法を提供してくれたパソコンが普及するにつれて、何故か、企画書なるものから「面白さ」が徐々に薄れ始めました。不思議な事に…。何故でしょうか?

企画書は次第にあれやこれやで満艦飾となり、昔ほどのキレが無くなってきました。オヤジの私が感じるというだけではなく、これは事実です。理由は…、みんなが同じアプリケーションで作るため、見た目が「似通って」きたからです。また、内容もノウハウ物などからの「コピペ」が多くなり、これまた似通ってきました。企画書から「考え抜いた言葉」が減り、キレイな画像やコピペのデータが増えてしまい、見た目は何やら凄いように見えても、中身がよく分からない、もしくはどこかで見たような文章が羅列している、といった企画書が増えました。当然そうなるでしょうね。「鯛焼き」がみな同じ形になるのと同じです。最近では企画書のテンプレートまであって、ますます企画書の鯛焼き化に拍車がかかっているような…。
  
昔、某大手広告代理店の方が「プレゼンテーションは説得のドラマツルギー(ドラマ)」という有名な言葉を吐かれましたが、まさにその通り。苦労して企画書を作り上げるのも、伝えたいことを伝え、説得するためです。キレイに作り上げることが企画書の目的ではありません。試しに、デジタル全盛の中で、昔ながらのアナログ「手書き・切り貼り」で企画書を作成してプレゼンテーションしてみましたが、中身はともかく、意外と新鮮に見えたのか、受けました。まあ、仕事は貰えましたけど、何度もできる手ではないですね。作るのに疲れる…。いまや、誰でもがパソコンを使えば「企画書のようなもの」が作れます。

しかし、しかしですよ。オヤジの戯言ではなく、それは実は「資料」なんです。相手を説得するためのものではない場合が多いのです。時には、「砂漠だけの国に戦艦を売りつける」ような企画書を見かける事もあります。企画書の「使い回し」をやっているとそういう破目に陥ります。ホントの話ですよ。デジタルのメリットは「コピペ」で使い回しがやり易い。ちょっとお化粧直しをすれば、それらしいものができます。今や「資料」までが「企画書」と呼ばれていますが、まあ、それはパソコンだけの問題ではなく、日本の会社の特徴らしいですけど、会議が多すぎて、そのために「(何らかのそれらしい体裁の)企画書(らしきもの)」が必要になるということでもあるのでしょう。
   
どのような分野であれ、プランナーは人に教えられてなれるものではありませんし、教えられもしない(パソコンの操作は教えられますけど)。とにかく、形から入れるものではなく、自分で考えるしかない訳です。プランナーの仕事に就いている多くの人は「人に教えてもらった」のではなく「自分で勉強して、考えて工夫」してます。これって、あの孔子様も言っている事です。「初めての事でも、考えれば分かる」と。ただし、プランナーなる方々の活躍できる期間は短いですよ。如何せん、人一倍疲弊しますから。言葉のカッコよさだけで飛びつくと大変です。

昔聞いた話ですが、ウソかホントかは別にして一部ではけっこう有名な話で。ある大手の広告代理店が予算の大きなキャンペーンのコンペ(競合提案)で大金を使い、イベントのようなプレゼンテーションをして、大好評。その広告代理店は「もう、この仕事は取った!」と思って、気の早い祝勝会を開いたら、ある格下の広告代理店に負けていたそうです。その自信満々だった大手代理店は憤って、負けた事に納得がいかず、お得意さん(クライアント)にねじ込むと、勝った広告代理店が出してきた企画書は、数ページのものだったそうです。そこに書かれていたのは、お得意さん(クライアント)のために、近くに借りた部屋の住所・電話番号と、そこに詰めるスタッフの氏名・経歴一覧が書いてあり、キャンペーン期間中、そのスタッフがお得意さんの近くで24時間専従で、いつでも、何があろうと即対応することを約束したものだそうです。それがお得意さんの心を動かしたのでしょう。

まさに、企画書とはそういう事を伝え、相手を納得させ、共感させ、仕事を頼みたいと思わせるのが最大の目的です。私、その話にいたく感動して、同じような事をやった事がありますが、負けました。ま、二番煎じではなかなか相手には刺さらないという事でしょうかね。真似はダメですわ。

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