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その他 その6「元祖ファストフード 日本のお茶漬け」


本 「ファストフード」といって思い浮かべるのは「ハンバーガー」でしょうが、本来的な意味から言えばコンビニで売っている「おにぎり」や「お弁当」、「パン類」も入ってくると思います。店舗形態から言えば、日本の「立ち食い蕎麦」も。ちなみにファストフードの「ファスト」は「Fast」で、ご存知でしょうが「First」ではありません。朝食の意である「ブレークファスト」も「Breakfast」で同じ「Fast」ですが、この「Fast」には2つの意味があって、ファストフードの場合は「すみやかな」の意味ですが、ブレークファストの場合は「断食」の意味です。直訳すれば「断食を破壊する」ですが、朝起きて食べる訳ですから、寝ている間の「飢餓状態(食べられませんから)」を破るという事で「朝食」となります。余談ついでに、「Fast」は長音(伸ばす音)と短音(伸ばさない音)にあまりこだわらない米語や英語でも、何故かこれだけは(若干発音が違いますが)ファーストと伸ばして発音するようです。日本のマスコミ等では長音を省く傾向にあります(例えば、昔はコンピューターだったのが、今はコンピュータ)ので「ファストフード」と表記が統一され始めていますが、向こうでは伸ばして「ファーストフード」となるようです。
  
余談が過ぎましたが、本題に行きます。ファストフードの領域は今や相当に広くなっていますが、もともとは「忙しい中、手軽に高カロリーの食事を安価に取れる」ということで広まったものでしょうから、「ホットドッグ」「フライドチキン」、「サンドイッチ」や「ピザ」「タコス」などがその代表でしょうか。日本でも、江戸時代から屋台で「蕎麦」を初めとして、「寿司」や「天ぷら」まで手軽に食べられたといいますから、これも昔のファストフードでしょう。しかし、店舗によるサービスだけではなく、日常生活の中で「すみやかに」食せるものがあり、私はそれが元祖ファストフードであると思います。
  
それは「お茶漬け」です。「湯漬け」も含めます。スープや汁をご飯にかけて食べる料理は、米食文化を持つ国々で様々にありますが、お茶、もしくはお湯をご飯にかけては食べるというスタイルが見られるのは日本だけでしょう。この茶漬けに関して、愛用の国語辞典、新解さんの表記がまさにその本領発揮なので引用させていただきます。「冷や飯を食べる時や、酒を飲んだあとや、おかず無しで急いでかき込む時などに飯に熱い茶をかけること(たもの)」「料理屋で出すものは、上にのり・シャケ・たらこなどを載せたりする」。新解さんファンを喜ばせてくれる解説です。「お酒を飲んだあと」とか「おかず無しで」とか、「料理屋で出すものには」「のり・シャケ・たらこ」という表記には新解さん編者の生活が滲み出ていると思います。それに引き替え「湯漬け」のほうはアッサリしています。「飯に湯をかけて食べるもの」。マンマですね。まあ、今では湯漬けがそれほど一般的ではないという事でしょう。
   
「湯漬け」はテレビや映画で、戦国の武将が急いで出陣するときなど「湯漬けをもて!」などと言って、戦支度をしながら湯漬けをかき込むシーンをご覧になった事があると思います。これはムチャクチャ「ファストフード」です。戦という運動に必要なカロリーを短時間で一気に摂取できます。しかも、簡単で、すぐに作れる。戦ほどではないにしても、時間がない時に「ご飯にお茶を掛けるだけ」のお茶漬けはすぐにできて、すぐに食べられます。煎茶やほうじ茶、番茶をかけることで「喫茶(茶を味わう)」も同時に楽しめます。おかず無しでもいいし、簡単な漬物程度のおかずでも十分です。今では市販品の「お茶漬けの素」があり、より簡単に「湯漬け」レベルで食べられます。お店では「だし汁」で作りますが、これもすぐに出てきます。ファストフードの本来的な「忙しい中、手軽に高カロリーの食事を安価に取れる」という目的を、自宅でも成立させることができます。炭水化物は人間の重要なエネルギー源です。
 
最近は「冷やし茶漬け」「ウーロン茶漬け」などもあるようですが、その手軽さ、「すみやかさ」は他のファーストフードにひけは取らないでしょう。お茶漬け専門店はあまり見た事がないし、お茶漬けチェーン店なるものはできないものでしょうか。できないでしょうね。あまりに簡単ですから、自宅で出来てしまいます。しかも、重要なのは、それで十分ご家庭の食事としても成立してしまう、と言う事です。「とりあえず急いでいる」から、というだけでもないのです。他のコンテンツで何度も書いていますが、まさに「日本の食の中心にあるご飯」があってこそのお茶漬けという「ファストフード食文化」でしょう。商業ベースの話ではなく、日本にはこれほど「すみやか」で「十分な食事としても成り立つ」ファストフードが昔からあったのです。
 
ところで、お茶漬けという食に「ハレ」の要素はありません。しかし、それをブチ抜いたのが某永谷園の「お茶漬け海苔」です。昔のテレビCMで、北島三郎がアロハシャツを着て、ハワイでお茶漬けを食べているというコマーシャルがありましたが、「なんでハワイでお茶漬けなんだ?」と素朴に感じはしましたけど、そこがこのメーカーの凄い所だと思います。「一人、お茶漬けを食べる」という、ややもすれば所帯臭くて侘しくなるようなシーンを、まさにブッ飛ばしたのです。お店で見てください。圧倒的に強い商品である事が分かりますよ。今でも北島三郎程のパワーは無いにしても、けっこう有名タレント路線で押して来ています。

ここで新たに「なんでお茶漬けは立ち食いそばに取って代われないんだろう?」という疑問が出てきて、調べてみると、やっぱりありましたよ。しかも、新たなチェーン店ビジネスのような形で。ひょっとしたら、当たり前すぎて見逃されていたのでしょうか? これから増えていきそうな予感が…。古くて新しい「お茶漬けチェーン店」。当たるかも…。

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