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その他 その9「カンブリア大爆発 生き残りの大戦争」


本 「カンブリア」とはイギリス・ウェールズの古い名前(ラテン語)が語源のようで、この地方からその時代の岩石が最初に出土した事からカンブリア紀と呼ばれ、約5億4,000万年前から約4億9,000万年前までとされます。そのカンブリア紀のおよそ5億4,200万年前から5億3,000万年前の間に突如として、今現在見られる動物たちの「門:ボディプラン(生物の分類階級のひとつ。その下にはお馴染みの「目」「科」「属」「種」があります)」が突如として爆発的に、ほぼ出揃った現象が「カンブリア爆発(もしくはカンブリア大爆発)」と呼ばれる現象です。カンブリア紀とそれ以前の地層に見られた化石資料の差は、古くからの謎とされていたようです。

カンブリア紀の地層から出る「サンゴ類」や「貝類」、「腕足類」「三葉虫」などが、それ以前の地層からはほとんど見つからなかった事から、いきなりこの時代に多細胞生物が一気に現れたように見えたのでしょう。「進化論」では、生物の進化はゆっくりと進んだはずで、そうであれば先カンブリア紀の地層からも、単純な多細胞動物の化石が出るべきであった筈です。ダーウィンも「?」だったでしょう。そういう時、色々と「犯人探し」が始まるものです。「その前の時代の多細胞動物は化石になり難かった」とか「その時代の地層が何らかの理由で欠損している」とか…。
  
しかし、その後、先カンブリア紀の化石も次第に見つかり、一件落着かと思いきや、その「謎」が更に深くなってしまったようです。一言でいえば、「ミッシングリンク(Missing-link)」という非連続性が見られたからです。ミッシングリンクとは、簡単に言ってしまえば「A→B→C」と進むべきものが「A→C」となってしまい「Bはどうしたの?」となり、そのBがミッシングリンクとなる訳です。「失われた鎖」、ということです。先カンブリア紀にも様々な大型の生物はいたようですが、カンブリア紀の多様性とは殆どといって良いほど別物のようです。その多様性は、今の生物につながるものもあれば、その時代限りのものもいたようで、進化の系統樹に全くつながらないということになります。何から進化し、何に進化して行ったのか? しかもこの時代に、もっと後になって現れたと考えられていた「脊索(背骨のプロトタイプ、ご先祖)動物の化石」までが発見されているようです。

言ってみれば「あらゆる生物のボディプラン、即ち生きていくための形が出そろった」訳で、これは例えの良し悪しは別にして、ある「実験室」で様々なプロトタイプが検討され、試作され、それが「使えそうなもの」から「使えないもの」まで、そこらじゅうに散らかっているような状態に似ているのではないでしょうか。ということは、カンブリア紀というのは「生物デザインの大実験室」? 誰が実験し、試行錯誤を繰り返したのでしょうか?
      
ちなみに、地球の誕生がおよそ46億年前、原始地球に他の惑星が衝突(ジャイアント・インパクト)して、月と分離したのがおよそ44億年前、地球の地殻が固まってきて「陸と海」が形成されたのがおよそ41億年前、その海が「生命のスープ(材料であるアミノ酸などの有機物質)」となったのはおよそ40億年前、原始生命が地球に誕生したのはおよそ39億年前、光をエネルギーとする(光合成)バクテリアの登場がおよそ27億年前。この時点で地球の大気中に「酸素」が生まれて始めます。およそ22億年前には核をもつ「細胞(真核生物)」が誕生し、酸素を利用する新しい生命が登場します。それから10億年を経て、およそ12億年前にようやく「多細胞生物」が生まれます。その後、8億年前には地球が何度目かの「スノーボールアース(雪球地球)」と呼ばれる状態になり、まさに雪ダルマ。このスノーボールアースの終結をカンブリア大爆発の要因とする説(生物が局地的に集められた)もあるようですが、時期が微妙に3,000万年ほどずれてるようで(地球史を巨視的に見れば、ほんの一瞬ですが)強力な根拠とはなっていないようです。しかし、その雪ダルマ状態の地球でも生物はたくましく生き続けました。そして地球がようやく温かくなり始め、およそ5.5億年前、いよいよカンブリア紀の始まりです(※この年代には資料によって色々な記述がありますので、「およそ」ということで捉えてください)。
 
カンブリア紀までの(お約束の)経緯を書くのに疲れてしまいましたが、本題に戻して、では、カンブリア大爆発の原因はどこにあるのでしょうか? ただし、この「大爆発」という概念には否定的な考えもあります。分子遺伝学からは「遺伝子の爆発的な多様化はカンブリア大爆発の3億年前に起こっており、カンブリア紀初期に起こった進化を、必ずしも爆発的とはいえない」との説。「もともと、生物それぞれが異なる方向に進化しており、種分化した時から全く違う体制を持ったと考える理由はない」という説。しかしながら、化石的には「大爆発」であることは事実です。で、カンブリア大爆発の原因に、私なりの仮説(妄想?)を立ててみたいと思います。

そのベースとなるのは、1998年に、進化生物学者・古生物学者であるアンドリュー・パーカー(1967年~ イギリス生まれ)の「光スイッチ説」です。この説は「目の誕生により生存競争が激しくなり、一気に進化を促した」というものです。三葉虫など、最古の節足動物に複眼(目を持つ生物の化石)が発見されています。この説の弱点は目の誕生の要因、「光との因果関係」が解明されていない事です。しかしながらそれはさておき、目を単純に「光を感じる事ができる器官」とすれば、「捕食者」にとっては圧倒的に有利な「捕食対象を捉えるレーダー」ができたということです。これに加えて、捕食の「武器」として「口」を得ていれば "Eater" の登場です。海中に漂う栄養(プランクトン)を受動的に取り込むのではなく、積極的に「栄養の塊である他生物」を捕食できれば、より高いエネルギーを得て、更に生物的優位を獲得することができます。この「目と口」が生まれた事により、「爆発的な」生存競争が生まれ、生物が一気に多様化する「カンブリア大爆発」が起こったのではないかと考えます。
     
視点を変えれば、人の歴史が「戦争」によって変わるなら、その大きな転換点は「ナポレオン戦争以前と以後」ではないかと考えます。ナポレオンまでの時代、銃も大砲もありましたけど、主には「用兵」で戦争の勝敗が決まりましたが、第一次大戦からは「機械力」が圧倒的にものをいいます。「用兵」は孫子の時代から2,000年近く基本的には変わっていないと考えます。しかし「機械力」は100年程度のうちにアッという間に世界を変えていきます。「効率的な弾丸の発明」「機関銃」「大砲の射程遠距離化」「航空機の登場」「戦車の登場」「巨砲大鑑の出現」「空母」「ミサイル」等々、そして最後は「核」です。第二次大戦までで、現代の基本的な科学が「量子論」まで含んで、殆ど登場しています。カンブリア大爆発とは生物の「大戦時代」だったのでしょう。如何に「相手を捉えるか」「如何に早く動くか」「如何に強力に防御するか」「如何に効果的に攻撃するか」「如何に早く相手を絶命させて、喰らうか」等々…。その競争の中で生物は試行錯誤を繰り返し、生存のために驚くべき速さで「進化」していった、いや、せざるを得なかったのではないでしょうか。

猶予などありません。それは現代の「企業間競争」にも似ていると思います。「光スイッチ説」の「何故、目という器官が生まれたか?」などは「何故、生命が生まれたか?」という謎に比べれば、脇に置いておける問題です。「カンブリア大爆発」とは、「生命」の上に初めて降りかかった「生き残り・弱肉強食」という課題によって起きた、生物の生存競争のための「大実験・大戦争」だったのでしょう。人間が「戦争」のために血眼になって「兵器開発」競争をしたように。私はCGで再現されたカンブリア紀の生物たちを見る度、そのイメージが戦争の歴史とダブります。まさに、あの手この手の「大爆発!」。

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